これはいわゆる鳴海紺型、うるみ型などと呼ばれているものであり、絞り文様を型紙を用いて表している。No.819は文様全体の骨格にあたる主要輪郭で、花弁と蝶の内部は蜘蛛絞り、源氏香は縫い絞りである。No.818は絞り糸でくくられた部分である。

この合成画像は防染を前提としている。どちらか一方を型付けし浸染したあと、もう一方を型付けし浸染する。No.818は濃いめの青、No.819は薄めの青としてみた。こうするとNo.818が比較的白っぽくなり、本来の絞り文様に近くなる。

型紙を使った絞り文様(鳴海紺型、うるみ型)や絣文様(常磐紺型)は、会津や仙台など東北地方に特有とされているようであるが、織り絣の一大生産地であった筑後地方の我が家の型紙にも存在する。柳川藩の交易船(廻船)は出羽の酒田まで行っており、物資・情報の往来の結果として、共通の染織関連物が残っている可能性は十分あると思われる。

No.818 型紙
No.819 型紙
No.818 糊
No.819 糊
No.818-819 合成画像